成人式 | はんなり時間

はんなり時間

好きなものについて。
本と、京都と、食と、cafeと、海と、旅と、沖縄と、家族とかについて。



成人式から7年が過ぎました。
7年て。7年て。
と、思ったんやけど、
この7年の間に私は結婚して一児の母になった。
すごいな時間って。


というわけで50音blog「せ」は「成人式」。


私の生まれ育った町はとても田舎で、
小さな中学校が一つしかありません。
ので、成人式は必然的に同窓会状態となります。
中学の担任の先生とかも来てくれる。


何度も言いますが私の生まれ育った町はとても田舎で、
田舎の定義といいますと、
コンビニまで徒歩30分
コンビニの駐車場がやたら広い
コンビニの入り口にヤンキー
同級生にヤンキー
道を歩けばヤンキーにあたる
ええ、ヤンキー。


というわけで、
まあヤンキーです。(なに)


だからそんな町の成人式なんて荒れるかと思いきや。
そう思いきや。
荒れないんだよこれが。
いい成人式やったなあ。


私たちは大切な同級生を高1のときに亡くしていて、
成人式が終わってからみんなでお墓参りへいきました。
車を運転してくれたのは、
亡くなった同級生の親友Kくん。
やんちゃやったKくんが、
そのときは立派なパパになっていて、
かわいいかわいい赤ちゃんも一緒にきてた。
チャイルドシートに乗ってた赤ちゃんを、
別の友達があやしていて、
それ見てたらもう泣きそうになったよ。
立派になってうっうっ。
感無量。
ちなみにK君は私が中学一年生のときに初めておつきあいをした人です。
きゃっ。


しかも、
慣れない振り袖を着たわたしたちのために、
車のドアをあけたり、
おりるときに手をかしてくれたり、
不器用になんやけど色々と気をつかってくれて、
おばちゃんほんとに感動した。
おうちに帰ってそれをおかーさんに話したら、
おかーさんが泣いたもんね。
「なんやのんKくん立派になって
うっうっ。
まいちゃんの学年は、
まあたしかにものすごいやんちゃやったけど、
根がとても優しいもんね。
うっうっ。
川のむこう側からおかーさん見つけても、
おばちゃんこんにちはー!って挨拶してくれるねん。
金髪やのに。
うっうっ。」って。


そうやねんなあ、
みんなほんとうに、根がやさしい。
ヤンキーやったとしても根がやさしい。


何度も言いますが私が生まれ育った町はとても田舎で、
道行く人はみんな知り合いで、
デートでもしようものなら近所中の噂になるし、
思春期の私は窮屈で仕方なかった。


小さな中学校にはひと学年に3クラスしかなくて、
おかーさんは私の同級生の顔と名前をほとんど知っていたし、
私も同級生のおかーさんの顔はほとんど知ってた。


でも、そんなとこやから、
私のおかーさんのお通夜とお葬式には、
私の同級生がいっぱい来て泣いてくれた。
同級生のおかーさんたちもたくさん参列してくれた。
それで、
「まいちゃん、辛いけどな、
なんかあったらおばちゃん頼っておいでや。
なんでもいいや。」
って言ってくれた。


窮屈やと思ってたけど
私はこうやって
たくさんのおかあさんに見守られてたんやって思った。


おかーさんが亡くなってからしばらくたった日、
Kくんが事故で亡くなった。
ほんまにほんまにあほかと思ったんやけど、
いやほんまにあほなんやけど、
親友のところへ行って、
そこには私のおかーさんもいて、
みんなで見守っていてねと
そう祈った。


そのとき、
別の同級生のおかーさんから、
「まいちゃん、
Kくんのお葬式に弔電送ってくれてありがとうな。
ほんまにありがとう。」
って電話がきた。
Kくんのおかーさんじゃないのに、
私にありがとうって電話をくれた。
あーこの町では、
ほんとうにみんながみんなのおかーさんなんや。
今でもそうなんや。
みんなが見守ってくれてて、
だからみんな
根っこが優しく育ったんやなあって
そう思った。


私は地元の高校へは行かず、
私立の女子校へ行って、
大学で東京へ出てきて、
そのまま東京で就職した。


そうして進学や就職のたびに世界は広がると思いがちやけど、
もちろんそれはその通りなんやけど、
でも、
進学校を出て
大学へいって、
就職をすると、
周りにはやっぱり同じ環境で育った人が多くなってくる。
もちろん同じ環境で育ってきた友人も
とてもとても大切なんやけど、
私にとって、
あの小さな町で
たくさんのおかーさんたちに見守られて一緒に育った、
ヤンキーやったりなんやったりとかもした、
色んな仕事についている個性豊かな友達が
今もとても大切です。


今でも東京に台風がきたり地震があったり大きな事件があったりすると、
同級生のお母さんから、
「まいちゃん大丈夫か!?」
ってメールがくる。
そうして今も私は、
あの町のおかーさんたちに見守られてる。
いつまでたってもきっと
子どものままなんやろうな。


何度も言いますが、
私が生まれ育った町はとても田舎です。
道を歩けばヤンキーさんに当たり
そこらじゅうに知り合いがいて
私が同級生の誰と付き合っただとか
どこの高校へいくらしいとか
東京の大学へいくらしいとか
そんなうわさがあっというまに広がる窮屈な田舎です。
でもたくさんのお母さんに囲まれたその田舎が
わたしは大好きです。
もう戻ることはないかもしれないけれど、
それでもあの場所があるから、
私は離れたところでも頑張れるんやと今でも本気で思っています。


みんないっつもありがとう。


成人式のときに掘り起こしたタイムカプセルに入ってた、
たぶんクラス替えがあった直後に
みんなで書いたクラスの目標かなんか。↓

$はんなり時間