旅 | はんなり時間

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好きなものについて。
本と、京都と、食と、cafeと、海と、旅と、沖縄と、家族とかについて。



村上春樹が、
「旅なんていくもんじゃない。
ろくなことがない。
ものはなくすし奥さんとはケンカするし。
でもなぜか僕らはまた旅に出てしまうのだ。
(注:かなり意訳)」


といったようなことを言っていたような気がするのですが
(違ったらすみません)
まったくもってその通りだと思います。


私がかつて旅に出てなくしたものといえば。
サングラス
カーディガン
ショール
免税店で買ったばかりのコスメ
アンティークのコート(真冬にタイに言ってもちろん現地では一切使わずそのまま置き忘れた)
そして恋。(?)


ろくなことがない。
まったくろくなことがない。


それでも私は時間があればすぐひょいひょいどこかへいってしまうのです。
子どもが生まれたんやからさすがにもうあんまりいかへんやろうと思いきや。
仕事がお休みやったことをいいことに
結局ほいほいどこかへ行っていました。


何度も言いますがろくなことはない。
ハワイの半月でわたしはいったい何回オットとけんかしたことか。


でも、なんで行ってしまうんやろう。
こんなに旅が好きなんやろう。


どうしても仏像群がみたくて
スコータイへ行ったりとか
アンコール遺跡がみたくて
シェムリアップへ行ったりとか
そういうのはまぁまだわかる。


でももはや別に目的なんてなくても、
青春18切符でひたすら北を目指してどこまでいけるかやってみるとか
なんの予定もまったくないのに急に宮古島へいってただ海でぼーっとするとか
当日思いついて鄙びた温泉宿を目指すとか
それだけでもいい。
そんな不毛そうなことをすすんでしてしまう。


なんでなのかなぁ。
そんな生産性のないことがこんなに好きなのかなぁって考えてみて。
一言でいうと、
旅情を感じる瞬間が
とてもとてもとても好きなんやと思う。


宮古島でいつもお世話になるひでさんが、
「宮古島にはなーんにもないから、
ここに来て何かが変わるってわけでは全くないけど、
なんにもしない贅沢だけはあるからまたおいで」
っていっつも言ってくれる。
東京にいるとほんとに便利で楽しいことはいっぱいあって刺激もたくさんあるけど、
何もせずに、
ただ何かを感じる
って時間はなかなかない。


なんにもないところに
意味も目的もなく立ってみて
そこで感じる旅情が、
東京で受けている刺激とは全く違う意味で
私にとっては新鮮なんやと思う。


それを感じたところで
ほんとになにかが変わるわけではぜんぜんなくて
むしろその代償はかなりでかいんやけど
(恋をなくしたりとかさ)
でも
私にはもはやそれが必要なんやろうな。
人生のメリハリのようなものなのかもしれませぬ。


ということを書いていると今日もまたあーーーーー宮古島行きたい。
と言うはめになります。
あーーーーー宮古島行きたい。

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