つわり | はんなり時間

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好きなものについて。
本と、京都と、食と、cafeと、海と、旅と、沖縄と、家族とかについて。



いつか
時期がきたら
こいつのことを話そうと思っていたんでしたそうでした。
それはまさに今!
今なら吐かずにきっと話せる!


というわけで今日はつわりのお話。
えぇ、ホラーですね。


「出産するときはめちゃくちゃ痛い」
というのはこれは定説ですね。
男性だって知っている話。
実際は出産自体ではなくて陣痛がめちゃくちゃ痛いわけですが、
まぁどちらにしろ「お産には痛みがつきものだ」
ということはそれこそ小学生の頃から知っている話です。
だからまぁそれなりの覚悟もできています。
女ですから。


しかしです。
「つわりがきつい」
ということは、
出産をするまでの26年間、
誰も詳しく教えてくれへんかった。
そんなこと教科書にものってへんかった。


つわりって、
みんなで楽しく団欒してるときに急に「うっ」ってなって、
洗面所にかけこんで、
ハンカチで口元抑えながら鏡にうつる自分を見て、
「ま、まさか。。」
とつぶやくもの、
ってイメージがないですか私はそうでした。


言っておきましょうあんなのはうそですうそっぱちです信じちゃいけません。


つわりそれはじわじわじわじわあなたのもとにやってきます。
みんなで楽しく団欒なんてしてるひまはありません。
じわじわじわじわやってきて、
完全に支配された頃には自由な時間は一切ありません。


というわけでここから話すのはわたしのちょう個人的なつわりの記録です。
これはほんとうに個人差があるので、
(私がきいた感じではつわりはほとんどなかったっていう人の方が多い)
たった一つの体験談としてお読みください。


まずピークのときの私の状態を例えると。


ひっっっっっどい二日酔いの日に、
台風でめちゃくちゃ揺れる船に無理やり乗せられ、
二日酔いにプラスして船酔いでぼろぼろになっているところに、
空気の読めない先輩があらわれて無理やり日本酒イッキをさせられ、
吐いても吐いても気持ち悪いという状況に陥り、
もういい加減船をどこかにとめてほしいと言うも、
ここが一体どこなのかわからない、だからいつ船がとまるかわからないと言われ、
じゃあお医者さんにみてもらってなんでもいいからこの吐き気を止めるお薬を出してほしいと言うと、
これは病気じゃないから処方する薬はない、いつ船がとまるかはわからへんけど、遅くともも10ヶ月後にはおさまるからそれまで我慢してくれとへらへら笑いながら言われる。
といったものでした。


最悪です。


極悪です。


悪夢です。


私の場合はこのピーク状態が結局4ヶ月近く続きました。
風邪ひいたってせいぜい1週間で体調はよくなります。
昔結構大きな手術をして入院したときだって、
2週間たった頃にはもうぴんぴんしてた。
それが4ヶ月ですよ4ヶ月。
よく生きてたな。。。


つわりのとき、
だめになるものの代表作として
ご飯の炊けるにおい、
っていうのがありますが、
これはわたしももろダメでした。
というわけで4ヶ月間一度もご飯なんて炊いてません。


ほかにだめだったもの。
お出汁のにおい。(コンビニのおでんのにおいが最悪すぎた。)
シャンプーのにおい。
アルビオンの乳液のにおい。


というかもう、
料理という行為を想像するだけで吐けたので、
シンクをみた瞬間トイレに直行とかしてました。
あとお風呂も最悪で、
あの湯気っていうものが私を殺そうとしてるとしか思えなくて、
毎日泣きながらシャワー浴びてた。
あーそうそうあと、
歯磨き粉の味っていうのもこれまた殺人的で、
朝の歯磨きした味が口の中に残っていて、
それがあまりにも気持ち悪くて、
出社途中の公園で吐いてしまったってこともありましたすみませんでした。
お休みの日はまっっっっったくベッドから起き上がることができず、
mixiでサンシャイン牧場(やったっけ?)ばっかりやってた。
たぶん私今あの画面見たら吐くわ。
つわりの思い出しかない。


そしてつわり中だめだったものとは。
なんと
オット。


わからん。
なんでかわからんのやけど、
オットに近づかれると気持ち悪くて気持ち悪くてしょうがなくて泣きそうやった。


オットが近づこうもんなら
もうすごい剣幕で
「近寄らんといて!!!!!!!!」
ってつっぱねてた。
しまいにはオットがただいまーって玄関をあけた瞬間、
吐いた。
ひどくない?
ひどいよね。
ほんとひどい。


ベッドが揺れると気持ち悪いから、
とにかくやたらでかいベッドを買って、
オットを端っこに追いやって寝てた。
ああほんとひどい。
ホラーだ。


私はその頃本気で、
無事に出産できたら将来
「つわり外来」をつくろうと思ってた。
つわりコンサルタントでもつわりマネージャーでもなんでもいいから
とにかくつわりと戦う施設を作ろうと。
だってつわりって、
原因がわかってないんやってさ!
世のお医者さんはいったい何をしてるんだと怒りにふるえたよ私は!
つわりの原因くらいつきとめてよ!
そんでこの吐き気まじでなんとかして!!!!!!!!
と、なんかもうわけわからん考えに至るほどに
私は病んでいました。
いや、病気じゃないんやけどね。つわり。
健診で私が涙ながらにどれほどつわりがきついか伝えても
「うん、でも病気じゃないから耐えるしかないんです(はーと)」
って返されるだけやったんやけどねうん。。。。。。。


そんな日々でしたが、
そんなもはやゾンビみたいに毎日ふらふらと生活している私に、
思いやりなんてものはかけらもなかったと思う。
ほんと4ヶ月一度もキッチンに立てへんかった上に、
オットつわりで
オットにはとげとげしい態度ばっかりとってたし。


そんな状況やったので、
もちろん精神的にも参ってくるわけで、
つわり初期の頃、
もうなにもかもが中途半端な気がして
オットに泣きついたことがありました。
(近寄るなというくせに自分からは泣きつく)


まだ初期で、
職場にはまだきちんと妊娠を伝えられなかった頃。
それでもつわりがひどくて仕事に集中できなくて、
でも職場には言えへんから、
おなかのベビコにも無理をして悪い事をしてる気がして。
なんか自分が、
仕事も赤ちゃんのことも両方中途半端で
すごい辛くなったことがありました。


そのときオットが、
「まいちゃんは中途半端なんじゃないよ。
両方がんばってるから、
ベビコはちゃんと育っていってくれてるし、
職場に言わなくても仕事をこなすことができてるんだよ。
中途半端なんじゃなくて両方がんばってるんだよ。
でももうそろそろ、自分に優しくしてあげてもいいと思う。
職場の人に相談していいんじゃないかな。
それに、うちの会社をみていて思うけど、
妊娠と出産を経験した女性はすごい仕事ができるよ。」
みたいなことを言ってくれた。


こちとらオットの顔を見ただけで吐くようなツマやのに!
どうですこの模範解答!!!
そうなんですたまにいいこと言うんですオットってばうっうっ。


それからきちんと職場に報告もできて、
そのときはほんとに周りに恵まれていて、
男性だらけのチームやったのにほんとにみんなものすごーーーーーく気遣ってくれて
(というかあまりに私がゾンビやからだいたいばれてた)
いや、だからといってつわりはきつかったけどそれでも、
ちゃんと産休まで仕事を続けることができた。


あのとき
オットの一言と
周りのあったかさがなければ
私はもっとなんかもうぼろぼろになっていたかもしれない。


十月十日、
息子氏をお腹で育てたのは私なんやけど、
その期間私はほんっっっとうにたくさんの人に支えてもらったし、
息子氏はそうやってたくさんの人の支えがあってうまれてきたんやなぁと
改めて思う秋の夜長。


これだけこれだけつらいつわりがあっても、
それでもまたいつか子どもはほしいと思う。
それでもまた生みたいと思う。
それは私が周りにとても恵まれてたニンプやったからやろうなぁ。
そしてどれだけつわりがきつくても、
やっぱり目の前の息子氏はもうあほみたいにかわいい。
あの頃はわからへんかったけど、
今は、
こんだけかわいい生き物に会うためならつわりも仕方ないと思う。


まぁそれでもわたしはつわりのことは今でも許してないですけどねうん。


もし二人目を生むとしたら
そのときはぜひつわりのない生活を送ってみたいと心から思います。
つわりのかみさまよろしくおねがいします。